今日も音声起こし中

2021.07.26

リモート会議システムは定着するか

対面での会議(の文字起こし案件)は、コロナのせいでいっとき減ったが、現在はまた行われている。もちろんマスクその他の対策はきちんと取られている。
ただ、この「きちんとした対策」のおかげで文字起こしがしにくい。文字起こし原稿の不明箇所が増える。

 

◆万全のディスタンスとマスクが不明瞭な録音につながる

まず、席と席の間が離れている。あらかじめ全員の席にマイクがセッティングされていれば別だが、マイクなしだと、どこにICレコーダーを置いてもほとんどの声が遠く録音されてしまう。
参加者はマスクを着用しているので、自然と声が小さくなる。口の動きも小さくなるので発音が曖昧になる。現場にいても聞き取りにくいし、録音された音声だとさらに分からない。
アクリル板が設置される。これでさらに声が遠くなる。席と席の間に立てられることもあるし、席の前に立てられることもある。
さらには、窓やドアが開放で行われることが多く、雑音が入る。

ディスタンスやマスクの必要がなくなるまで、会議はリモートで実施してもらえないかと切実に思う。

◆目の前に映っていても遠くの人

リモート会議の録音・録画も、回線の調子などによっては録音・録画状態が悪い場合もある。耳にキンキン来るような音質になっていることさえある。

ただ、リモート会議は、自宅から参加する人はマスクをしないので、個人個人の発音はさほど問題がない。
また、会社などから参加してマスクを着用している人も、リモート会議に臨む場合はしっかりと発音する。目の前にパソコンのモニターがあって相手の顔が映っていても、「近くの人」という感じがしないからだろう。
「遠くの人」に向かってしゃべろうとすると、自然に声量がアップするし滑舌もはっきりする。そういう話し方は録音でも聞き取りやすい。

リモート会議だと丁々発止のやりとりができない。会議の参加者はそれを歯がゆく感じているだろう。しかし、文字起こしする者の立場で捉えると、相手の言葉にかぶせて次々と発言されるような対面の会議は、聞き取りに苦労が多い。
その点、司会が「Aさん、いかがですか」と指名するとAさんが発言し、Aさんの発言が「以上です」と終わるまで、他の誰も発言しない、というリモート会議の進行は、オコシストにとっては天国だ。

リモート会議システムは社会に定着するだろうか? コロナの時期だけの流行に終わるだろうか?