文字起こしを学ぼう

2022.10.27

文字起こしがうまくなる・速くなる・ラクになる リスピーク入門オンライン講座

この講座名は、絶妙だと思う。
文字起こしがうまくなる・速くなる・ラクになる リスピーク入門オンライン講座

NPO法人フラウネッツの新講座(今年2022年8月にスタート)で、毎月1日開講。私が講師を担当している。

 

◆タイピングは疲れる

文字起こしする音声は一般的に長い。会議や講演会は120分程度が多いし、180分を超える案件もある。
タイピングによる文字起こしは、肩や首、手首に負担がかかる。作業時間もかかる。
ひととおり文字化するだけで消耗し、その後の校正が甘くなる。

30代の頃は長時間のタイピングも問題なかったけれど、40代になると肩と首がいつも不調で、文字起こしで稼ぐ金額よりもマッサージ料金のほうが多くなる状態だった。そこで音声認識に興味を持った。

リスピークは、音声を再生して聞きながら、発言どおりに自分で復唱して、自分の言葉を音声認識させる方法。
録音状態がいまひとつの音声だと、音声ファイルを直接、音声認識アプリにかけても正しく文字化されない。人がいったんリスピークするほうが認識率は高い。

 

◆音声を止めずにリスピークできるか?

ところが。
かつての私のリスピークは、全然、まだまだだった。
下記の図が、私が15年ほど前にリスピークで文字起こししていた頃の作業(AmiVoiceを使用)。
音声を聞いて、いったん止めて、記憶した部分を復唱。

もうちょっと慣れると次のようになった。
音声を聞き始めてすぐ復唱も始める。タイピングでもこういう状態を「聞き打ち」という。タイピングなら「聞き打ち」、リスピークなら「聞き復唱(?)」ができると、作業時間が短縮される。


AmiVoiceの担当者は「音声を止めずに最後まで全部復唱する(手直しはあとでまとめて行う)」という作業プロセスを提案されていたのだけど、当時の私は到底できず、少しずつ音声を止めながら進んでいた。

 

◆他の人はとっくにやっていた

ところが、今その瞬間に行われている会議やセミナーを文字化する仕事はいろいろある。リアルタイム字幕もそうだし、パソコン要約筆記はその場の発言をタイピングする。速記者も発言のスピードで速記符号を書いていく。
文字起こしの仕事は録音された音声ファイルを相手にするから、何度でも聞き返せる。しかしその安心感に頼らず気持ちを切り替えれば、トークのスピードに付いていけるはず。

と思ったけれども、「気持ちの切り替え」ごときでは付いていけなかった。
頭が回らない、口が回らない。
リスピークはリスピークで訓練が要る。考えてみれば当然だ。
リアルタイム字幕の仕事をしている人に相談に乗ってもらいながら練習した。

 

◆活用できればリスピークは便利!

今は、取材をオンラインで聞きながらリスピークできるようになった。リスピークと誤認識修正を2人で分担して、取材終了後に再度ざっと手直しして、取材の15分後にはインタビュアーに文字起こし原稿を届けられるようになった。
これは粗起こしのままでOKという案件だが、発言記録として丁寧に仕上げる案件でも、今では私も同僚も当然のようにリスピークで文字化し、そこから校正している。

講座には、私の練習内容を反映させた。
文字起こしに使う前提だから、全くのノンストップでリスピークしなくてもいい。多少は止めつつリスピークするほうが誤認識が減るので後の修正も軽くなる。「止めずに」と「止めながら」は案件の性質にもよるから、両方を解説している。
今は、リスピークで文字起こしがうまく・速く・ラクになると断言できる。

 

フラウネッツ
文字起こしがうまくなる・速くなる・ラクになる リスピーク入門オンライン講座