オコシストは、たいていはお客様が録音した音声ファイルを受け取って文字起こしします。「お客様が録音とかICレコーダーの使いこなしをもうちょっとご存じだといいのに!」と思うこと、実はしばしばあります。
◆バウンダリーマイクは案外コンパクト
廿:十数人も参加している会議を、1台のICレコーダーで録っていたりするんです。レコーダーから遠い方の声は、ほぼ聞こえません。マイクのシステムが組んである会議室ばかりじゃないし、ミキサーなどいろいろ一式持ち込むのも大ごとですから、しょうがないんですけど。リピーターのお客様には、レコーダーを2台置いて録っていただくようにお願いしています。
喜田:そんなとき、こういうのはどうでしょう。バウンダリーマイクロホンME33です。
廿:あ、これなんですね。この前、社内で、広い範囲を拾うマイクが欲しいという話が出たんです。一度実物を拝見したいと思っていました。コンパクトですね。(直径12センチだそうです)
(http://olympus-imaging.jp/product/audio/accessory/mic/me33/)
↑使用イメージはこのWebページのイラストが分かりやすいです
喜田:ICレコーダーに、この分岐ケーブルをつなぎます。LとRにそれぞれ3台ずつのバウンダリーマイクを、次々につなぐことができます。ケーブルの長さは2メートルちょっとありますから、6~7メートルの範囲まで、全部の声をすぐ近くで録ることができるわけです。
◆オコシストは声の位置関係で発言者を特定する
廿:例えば6台のバウンダリーマイクを接続した状態で録った音声って、右から聞こえる声と左から聞こえる声の区別はできますか。
大上:ステレオ録音ですから大丈夫です。
廿:じゃあ安心ですね。全部の音が真ん中から聞こえたら、もともと発言者の聞き分けが大変なのに、ますます大変になってしまいます。
大上:「両耳同じように聞こえる音のほうが、疲れないからいい」と言われたことがあるんですが、そうでもないですか。
廿:社内の会議を社内の人が文字起こしする場合、発言者の声を知っていて、判別できるから、両耳同じように聞こえる録音でも困らないんだと思うんです。あとは、「指名+名乗り」を行う(「次に○○課の××さん、どうぞ」「はい、○○課の××です。われわれの課では…」という発言ルール)の会議などだったら、話者の特定に苦労しないんですが…。
◆マイクの指向性に自信あり
廿:知らない人の声って区別しにくいんです。私たちは、まず「かなり年配」「関西アクセント」などの特徴で区別して、同じような声の人は「左の手前から聞こえる声」「右の奥から聞こえる声」という形で、ステレオ録音の音の方向を頼りに特定するわけです。
大上:その場合、指向性はあったほうがいいということですね。当社は、ステレオマイクは必ず指向性マイクを使って、左右の音がしっかりと分かれる設定にしています。他社製品には、ステレオ録音機で無指向性マイクを使われているケースが多いのですが、指向性ステレオマイクは当社のこだわりポイントです。その違いをもっと強調してアピールしたらいいかなと思っているんですが、聞こえ方の違いに気づくことはありますか。
廿:お客様が使っている2台が、異なるメーカーのICレコーダーということは結構あると思います。でも、片方の機種がそもそも古いとか、いろんな条件が違うと思うんです。聞こえ方の違いが指向性の差なのかどうか、私たちには分かりにくいです…。
私自身、この取材をメーカーの違う2台のレコーダーで録りましたが、指向性などの設定をきちんと確認せず録音をスタートしてしまったので、比較はできません。自分でもこれですから、「お客様がレコーダーの使いこなしをご存じない」なんて言う資格は、本当はありませんね。
次回はオリンパスの国際展開について伺います。日本ではまだ発売されていないソフト・ハードが続々と登場します!