上手な録音起こし方の基本

2012.12.07

【聞き取れない音声の原因と対策】第4回「録音の音量が小さい」

原因1で取り上げた「話者の声が小さい」は、特定の発言者だけ声が小さい状態です。それに対して今度は、録音の設定が悪かったせいで全部の発言者の声が小さいという状態です。

ICレコーダーにもカセットテープのレコーダーにも、ちょうどいい音量で録音するという機能があります。なのになぜ、全発言者の声が極度に小さいファイルができてしまうのでしょうか。

例えば、動画だったせいで音が小さいという仕事を、以前文字起こししたことがあります。座談会の全員の姿を映せる距離に、ビデオカメラが置かれました。つまり、全員から何メートルも離れた位置から録音され、全員の声が遠くなったわけです。こういうとき、カメラは遠くにセットせざるをえなくても、それとは別にICレコーダーをテーブルの上に置いてもらえると、音声が近くてよく起こせるのですが。

 

対策アンプ内蔵スピーカーで聞くこと

 

録音音量そのものが小さいときは、たとえPC上で音量を最大にしても限界があります。

この場合、音声加工ソフトで波形を編集し、例えば元の音の300%などに増幅して保存し直すという手があります。しかし、まず動画ファイルから音声だけを抽出して保存するところから始まって、結構な手間がかかります。

極端に音量の小さい波形の例。波というほど振り幅がない…。

手っ取り早いのは、PCにアンプ内蔵スピーカーをつなぎ、そこから音を出すことです。ヘッドホンを使う場合は、このスピーカーにヘッドホン端子を挿します。

スピーカー単体は「音を再生する」機能しかありません。それに対して、アンプは「音を増幅する」機能があるので、アンプ内蔵スピーカーは、もとの音より大きくして聞くことができるのです。

【聞き取れない音声の原因と対策】第5回「トークが天然2倍速」