上手な録音起こし方の基本

2013.01.29

【聞き取れない音声の原因と対策】第6回「会場の残響(エコー)が強い」

体育館などでのスピーチを録音すると、場内が広くて天井も高いために、音が何度も反響して、わーんというエコーがかかってしまいます。
以前、オリンパスに取材に行ったとき質問してみましたが、会場のせいでエコーがかかる音声は、レコーダー側の設定では解決できないそうです。

では、テープ起こし用音声ソフトの側で何か調整できるでしょうか。
テープ起こし用の音声ソフトには、たいていノイズ除去機能が付いています。しかしこれらは通常、人の声とは違う音域のノイズに対して最も有効なのです。天井が高い会場などのエコーは人の声自体がもとになっていますから、守備範囲外です。ノイズ除去を無理にかけても人の声の成分がやせてしまい、かえって聞き取りにくくなったりします。

対策文字起こしだけを担当する場合、ありません(根性で聞く)

 

会場選びから関与できる場合は、そもそも残響の少ない会場を選びます。録音から関与できる場合、マイクを使っているならミキサーからラインでつないで録音させてもらいます。それが無理な場合はスピーカーのできるだけ近くで録音します。マイクを使わない場合は、少しでも話者の近くで録音します(壁や天井に反響する音ではなく、直接発せられた音を拾う)。

音声を支給されて文字起こしだけを行う場合はただひたすら、根性で聞き取る以外ありません。

【聞き取れない音声の原因と対策】第7回「会場の騒音が強い」