上手な録音起こし方の基本

2012.09.07

【聞き取れない音声の原因と対策】第1回「声が小さい」

「音声のままでは一覧性・検索性が低い。文字に書き起こすことで、データを活用し、情報の価値を高めよう!」というのが、okosoの主張

しかし、聴取不能箇所だらけの書き起こしでは、情報の価値が高まりません。正確な書き起こしのために、まずは、いい機材を上手にセッティングし、クリアに録音することが大事です。

でも、機材とセッティング方法が良くても、聞き取れない原因はまだ他にたくさんあります。そこで秋の特別連載「聞き取れない音声の原因と対策」をお送りします。

ではさっそく、聞き取れない音声の原因と対策を一つひとつ見ていきましょう。

 

聞き取れない原因1【話者の声が小さい】

 

会議の録音などで、特定の人の声ばかり全然聞こえないというケースです。隣の席の発言者の言葉はよく聞き取れていて、録音の失敗ではありません。

音量をいくら上げても、「声が小さい人」の声は本当に聞き取れません。小さい声の人は、口をしっかり動かしてないし息も少ししか使っていないのです。だから音量を最大にしたところで、何を言っているか分からないことに変わりはありません。

 

対策自分の推測力をアップすること+ネット検索のスキルアップに励むこと

 

物理的な音としてはいじれないので、かろうじて聞こえる言葉から聞こえない言葉を推測するしかありません。推測だけでは不十分なときは、ネット検索で確認します。

例)教育についての会議音声で、「レリバ…高める」と聞き取れた

息の感じだと、バと高の間には2字か3字入りそうです。「レリバ」でネット検索すると、「レリバホテル」が上位に出てきたりしますが、話の内容からしてこれは違います。「レリバ 高める」で2語検索すると、「レリバンスを高める」という言葉がいくつかヒットします。ヒットしたページは教育問題の内容が多いので、合っていそうです。

さらに、音声内の他の人の発言に、明瞭に聞き取れる「レリバンス」という言葉が出てくるかどうかにも注意しながら作業します。

声が小さい」に類似して、「高齢者の声が不明瞭」という音声もあります。加齢のせいで、歯の間が空いたり肺活量が小さくなったりするのが原因です。これも、音量を上げたところで、発音そのものを明瞭にできるわけではありません。推測+ネット検索で乗り切ります。

「声が小さい」の対策として、そもそも会場で発言者全員がマイクを使うようにすればいいという考え方もあります。しかし、声の小さい人の声は、マイクにもうまく乗らないことが多いのです。マイクなしよりは聞き取れますが、他の発言者の声よりも聴取不能部分が発生します。

発言者本人に、「しっかり発音して人に聞き取ってもらいたい!」という意識が薄く、自分の発音があいまいで弱いことに気づかないのでしょうね。参加者一人ひとりに発声練習をさせてから会議をスタートしてほしい…、オコシストとしてはそんな暴論さえ主張したくなってしまいます。

【聞き取れない音声の原因と対策】第2回「つっかえた、口ごもった」