オコシスト雑記

2019.01.09

はじめましての文字起こし。

今の仕事に就くまで、「文字起こし」という言葉を知らなかったくらいの超初心者だった私。
編集部員の大久保明子(おおくぼめいこ)こと、おーです。
そういえば、文字起こしの作業を過去にほんの少しだけやったことがあるような…?と、ふと思い出しました。

 

初・就職で、初・文字起こし

私の初めての就職先は、NPO団体事務局部門。
年度の入れ替わり時期で、上司や先輩たちが慌ただしくしている中、
私が最初に先輩から頼まれた仕事は、

「録音した音声があるから、取りあえずそれを聞いて文字にして」

というものでした。

――ふむ、聞いた音声をそのままタイピングして文書を作ればいいんだな。
やったことはないけど、日本語の音声なら言葉も分かるし、
タイピングもまあまあできるし、新人の私でも大丈夫だろう。

 

作業環境・録音状態は…

作業用に渡されたのは、音声データの入ったノートパソコン1台とイヤホン。
使えそうなソフトは、Windows Media PlayerとWord。
周囲は電話や打ち合わせの声でガヤガヤの状態。

何を録音したものなのか、内容も何も聞かされないままでしたが、
さあ、とにかくやってみるかと、張り切って音声を再生しました。

「(ザーー)…は、(ザザー)どうす(ッザーー)(ゴゴーーーー)…」

――ん????

「…わた(ザザッ)ちは、こ(ゴーーーーーーー)」

――んんん?? これのどこを文字にすればいいの…??

雑音メインの音声から、なんとか人の声を聞き取ろうと、
Media Playerのカーソルをマウスでぐぐぐ~っと操作して、巻き戻し。再生。巻き戻し…
Wordの画面とあっちこっち何度も切り替えて、なんとか聞き取れた言葉を忘れないうちに急いでタイピング。
連続で5文字分くらい聞き取れたら、よし、長めの文字にできたぞ!と、うれしくなっていました。

 

起こしにかかった時間は、音声の30倍

1時間かけて、ようやく2分ほどの音声を文字にしたところで、いったん提出。
(文字数にしたら100字くらいだったかも)
その成果を見た先輩も「え! たったこれだけ…?」と、びっくりしていた様子で、
私の聞いていた音声を改めて確認してみると
「こんな音質悪いのでやってたの?! 早く言ってくれればよかったのに…」とのこと。

確かに雑音ばかりだけど、こういうもんなのかなと思ったのです。
結局、その続きはやらなくてもいいことになり、「音声を文字にする仕事」は
そこで打ち止めになってしまいました。

今になって思うと、私の初仕事は「文字起こし」だったのですね。

おーーい! 当時の私よ、
それは文字起こしと言って、専用の再生ソフトもあるし、ちゃあんとした準備と心得が必要な仕事なのだよ!

音声の状態(音質)や、誰が何の話をしているのか(話者情報)、
聞こえた音声をどこまで文字にすればいいのか(仕様)など
文字起こしの事前準備の大切さをそのときすでに思い知っていたのでした。