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暗黙のハウスルール

音声がほとんど聞き取れない、内容についての情報も専用再生ソフトもない。

そんな状況での音声起こしが初仕事だった就職先で、今度は……

 

 

◆新人だらけの編集委員

入職1~2年目の職員が、4つの部署から1人ずつ集まって編集委員となり、

組織全体の年間活動報告冊子を作ることになっていました。

(編集しながら活動内容を知る、という研修も兼ねて十数年前から始まったそうです)

 

経験者1人をリーダーに、あとの工程は新人が探り探り。

 

内容案を決めて、台割作って

各部署にページ数を割り振って、原稿執筆依頼

原稿と写真などの画像を集めて

ページごとにレイアウトして、校正

デザイナーに印刷原稿を作ってもらって

印刷、ようやく発行

 

これだけの工程を把握するのも一苦労で、さらには詳細なマニュアルもなく新人が進行していくのは至難の業でした。

 

 

 

◆集まった原稿……何かがおかしい??

十数人に執筆依頼した原稿も、なんとか全部揃えられてほっと一安心。

1ページに複数の原稿をレイアウトしながらながめていたのですが、何かがおかしい…

 

それぞれの文章を見比べてみると、「気付く・気づく」「分かる・わかる」「一人一人・一人ひとり・ひとりひとり」「作る・つくる」「大変・たいへん」「良い・よい」など、各執筆者が自分好みの表記をしていたのです。

 

新人編集委員たちは、もちろん表記という言葉自体も知らないわけですが、

「こういうのって、統一してたほうが見た目もいいよね?」

「いろんな書き方してると、なんかまとまりのない団体みたい…」

と、その時点で初めて仮名遣いのルール、表記のルールが必要だということに気が付きました。

 

 

 

◆ハウスルールは、なんとなく

今まではどのように表記されていたのか、過去の冊子を見てみると、やっぱりところどころでばらつきがありました。先輩たちに話を聞いてみると、

「ちょっとの書き方の違いは、まあそれでいいのかなって思ってた」

「あんまり気にしてなかったけど、言われればそうだわ…」

「明らかに漢字が違うとかでなければ、パソコンで変換されたままにしてたなあ」

とのことでした。

 

組織の顔となる冊子は、暗黙のハウスルールの中でなんとなく、完全に統一されてはいないけど読むには困らない文章で作られていたのです。

 

 

 

◆表記が生んだ一体感

文章としては読めるけれど、やっぱり残る、多少の違和感。

このもやもやをすっきりさせたい思いで、当時の新人編集委員が初めて仮名遣い表を作って、組織全体に配布しました。

 

活動報告冊子ではこの仮名遣いをしてください、と記したA4用紙一枚(項目にして30個くらい)でしたが、職員たちから「こういうのが欲しかったんだよ!」と、絶賛されたのを覚えています。

 

仮名遣い表、つまりハウスルールを作ったことで、組織の一体感が生まれたような感じでした。

 

 

私が、表記やハウスルールという言葉を知ったのはつい最近。

その言葉を知らなくても、おのずと必要性を感じてくるほどに重要なものなんだなあと、今あらためて思うわけです。

 

 

(大久保)