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2012年3月アーカイブ

今年の1月以降、「議事録未作成問題」がしばしばニュースになりました。東日本大震災後に開かれた震災や原発事故対策の政府の会議で、議事録が作られなかった問題です。

 

◆たしかに地震直後、音声起こし業界はひまでしたが…

政府などの公的な会議では、議題と決定事項ぐらいを記録した文書は「議事概要」とか「議事要旨」という名前で呼ばれることがほとんどです。ここでいう「議事録」とは、もっと詳細に発言者名と発言内容を記録したものを指します。

 

 

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資源エネルギー庁のWebサイト「審議会・研究会」コーナーから、議事要旨と議事録両方を作成している例。議事要旨は1回分が数千字に対し、議事録は1回分がPDFファイルで数十ページもある。

 

 

オコシストとしては、公的な会議で詳細かつ正確な発言記録を作るのは当然と言いたいところです。

もちろん、速記・テープ起こし業界にたくさん仕事を発注してほしいからという意味ではありません。衣服がクリーニング業界のために存在するわけではないように、会議は速記・テープ起こし業界のために存在するわけではないのですから。

(もっとも、震災後は国際会議が中止になったりして文字起こしの仕事は一時かなりひまになったので、あのとき政府や地方自治体がたくさん発注してくれたらみんな喜んだとは思いますが)

 

受注が目当てでなければ、なぜ「オコシストとして」議事録作成が必要だと思うのか。それは、仕事柄たくさんの会議音声を文字起こししてきて、詳細な発言記録にはたくさんのメリットがあると感じているからです。

 

まず、言うまでもなく、会議に参加していない人にとって議事録は討議のプロセスを検証できるという機能があります。そのために政府の会議などは、平成21年に公文書管理法ができて、議事録を作成・保存・公開することになっているわけです。

※法律の条文を確認したところ、作成・保存はともかく、公開については「独立行政法人等情報公開法」という別の法律が関係してくるようです。

 

議事録未作成問題については、「阪神・淡路大震災や中越沖地震のときも議事録は作られていなかった、それなのに当時政権党だった自民党ほかが騒ぐのはけしからん」という意見もネット上で見受けられます。ただ、阪神や中越沖は公文書管理法の成立前でした。

 

◆議事録があれば120年前の会議も全部分かる!

国会や地方議会は、「逐語」すなわちすべての発言を言葉どおりに記録する形で記録を取っています。今調べてみたら、衆議院の第一回通常会は明治23年12月2日火曜日に開催されていることが分かりました。

 

議長「今日は全院委員長を選挙します。今日は皆さんを番号で呼びますからね」、大江卓議員「ちゃんと姓名があるんだから番号で呼ばないでくれ」というようなやりとりから始まっています(旧漢字とカタカナ表記で読みにくいですが、概ねそういう意味のようです)。

120年前のささいなやりとりまで再現されているのが、記録の威力です。何か知りたいこと、研究したいことがある人にとって、詳細な議事録は宝の山になります。

 

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第1回帝国議会・衆議院第一回通常会(明治23年12月2日)の議事録

 

国立公文書館 アジア歴史資料センター

標題:第1回帝国議会・衆議院議事録・明治23.11.29~明治24.3.7

(12ページから議事スタートです)

 

 

ささいな発言まで発言者名付きで公表されることに抵抗感は誰しもあるはずですが、しかし。

 

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