廿:そもそもICレコーダーって何でしょうか。
喜田:ICレコーダーという名前は、実は日本でしか通用しないのです。
◆デジタルボイスレコーダーという名称が普通
廿:えっ、そうなんですか。
喜田:アナログ録音からデジタル録音の時代に移行したとき、テープではなく本体内蔵のICメモリ(半導体メモリ)に録音していくので、ICレコーダーと呼ばれるようになったわけです。海外では、デジタルボイスレコーダーと呼ばれています。
オリンパスの製品も、国内向け製品はここに「Voice-Trek」という文字を入れていますが、外国向けは「DIGITAL VOICE RECORDER」となっています。

廿:デジタルボイスレコーダー。その名前のほうがカッコいい気がしますね。つまり、ICレコーダーはデジタル録音であることが本質なわけですか。
喜田:そうです。カセットテープなどアナログな媒体に録音する機材とは区別されるわけです。
オリンパスの最初のICレコーダーは1998年に出ています。このとき、アナログ録音機のパールコーダーとは別のシリーズということで、Voice-Trekという名称をつけたのです。ICレコーダーは、このころ各社ほぼ一斉に発売されたはずです。
◆1998年、録音機器もデジタル化へ
最初のVoice-Trek。でもよく見ると、「Voice-Trek」ではなく「DIGITAL VOICE RECORDER」と印字されている(クリックで拡大)。これも海外仕様の製品らしい。
廿:この時期に発売されたというのは、何か理由があったんでしょうか。
喜田:カメラはもうデジカメが出ていましたし、デジタルの音楽プレーヤーも出始めていました。アナログからデジタルへというのは自然の流れだったと思います。カセットテープなどはテープの長さに録音時間が拘束されますが、デジタルになれば録音時間も多くできるなど利便性が増しますので。
菊地:それと、かつては半導体メモリの価格が非常に高かったため、ICレコーダーを製造する技術があっても製品化できずに止まっていたのです。この時期にメモリ価格が下がったので、各社発売に踏み切ったのだったと思います。
















