【話し言葉の処理】1.「話す→読む」にはねじれがある
小学校以来の作文教育では、いわば「書き言葉を書く」ことを学ぶ。「話し言葉を書く」ときのねじれを処理する技術は、少なくとも義務教育では深く取り上げていないと思う。
(作文の会話部分の表現テクニックはテープ起こしとは別であり、これもいずれ取り上げる予定)
◆テープ起こしに小学校以来の教育は役立たない
うちの会社は、ここ数年厚労省の就業体験セミナーでテープ起こし部門を担当してきた。このセミナーを受講するのはテープ起こし初体験の人が多いので、ねじれも初体験することになる。
文章を書くために教育された規則と、しゃべり言葉は違いすぎる。音声をそのまま文字に置き換えると、奇妙な文章になる。文章力に自信のある人ほど生理的に受け付けず、気持ち悪くなる。不安になる。
◆「書き言葉を書く技術」では対応できないしゃべり言葉の例
・「いたしまして。」「問題なんですけど。」など、終止形以外で終わるセンテンスの末尾
・「今度ちょっと気持ちをいっぱい聞いてあげないと」「実際にやっぱりかなり過敏になっているので」など副詞の多用
・「どういうふうにそういったことを進めていこうみたいなことって、何かこう計画みたいなものってありますか。」など、あいまいな言い回し
セミナーでは、最初にテープ起こしの細かい技術はレクチャーしない。テキストには処理方法の概略を記載しているが、自分でテープ起こしを一度体験しないと実感できない。そのぐらい、「話し言葉の文字化」は不思議な体験なのだ。
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