ICレコーダーのセッティングについて、今回は、規模の大きい会場での会見や講演の録音方法を取り上げます。
鳩山首相のブログ「鳩cafe」に、「記者会見のオープン化について」という記事が掲載されています。こういうホールでは、どのようにICレコーダーをセッティングしたらいいのでしょうか。
http://hatocafe.kantei.go.jp/2010/03/20100328.html
ブログの写真を見ると、記者は自分の席で録音していることがわかります。いくつかICレコーダーが写っています。
会場のセッティングを見てみましょう。鳩山首相の声はマイクを通しており、スピーカーは左右前方にあるようです。この会場なら人間の耳には音響上の問題はなく、どこに座ってもよく聞こえると思います。
しかし、ICレコーダーは、「内蔵マイクに近い音をより強く拾う」のです。鳩山さんの声よりも、隣の席の記者がパソコンを打っている音を、ICレコーダーは強く拾ってしまうかもしれません。もしあとでテープ起こしをするなら、録音に最強な位置に座る必要があります。
※企業の新製品発表の記者会見などは、例えば雑誌が数ページにわたって記事を書く場合、テープ起こししたほうが確実です。雑誌からの依頼で記者会見や新製品発表セミナーを起こすことは、私もよくあります。
【広い会場で・マイクを通した声を・座席から録音する場合のセッティング】
・スピーカーにできるだけ近い席に座る。
・ICレコーダーのマイク指向性を「NARROW」などにして、マイクをスピーカーに向ける。
これによって、スピーカーの方向から来る音をメインに拾い、隣の席のタイピング音などは小さくなるはずです。
一方、主催者から依頼されて録音する場合は、音響機器からダイレクトに録音することができます。会場の雑音が入らずクリアに録音できます。
鳩山会見のホールでは、後ろの上のほうに音響ルームがありそうですね。内閣府ホームページにアップするような正式な音声は、そちらで録音しているはずです。
【広い会場で・マイクを通した声を・ラインから録音する場合のセッティング】
・音響担当者に機材への接続を依頼する。
ホールや大会議室へ録音に行ったら、会場の音響担当者を探します。
「主催者の依頼でテープ起こしを担当する者ですけど、ラインから音をいただけますか」
こういう言い方で通じます。音響さんは、機器から出ているコードをICレコーダーにつないでくれるので、あとは録音ボタンを押すだけです。この場合も、予備の録音機材で自分の席から録音しておきます。
【広い会場で・マイクを通さない声を録音する場合のセッティング】
そこそこ大きい会議室での講演などでも、マイクを使わないことがあります。この場合はとにかくレコーダーを話者に近づけること。
方法1・演台の上にICレコーダーを置かせてもらう
方法2・講師のジャケットのポケットにICレコーダーを入れてもらい、襟元にピンマイクをはさんでもらう
最初は演台の前で立ってしゃべるが、途中でスクリーンの前へ移動し、スライドを示しながらしゃべる…などというケースでは、方法2が最強です。
この場合、必ずピンマイクを使うこと。ピンマイクなしでポケット内から録音すると、「近いものを強く拾う」という特性のせいで、講師が身動きするたびポケットの衣ずれが「ザザザーッ!」と意外な大音響で入ってしまい、声が聞こえません。
※講師が女性の場合、ジャケットにはICレコーダーが入るほど大きなポケットがありません。オリンパスのDS-750などは、ベルトにはさむ金具が付いているので、これをスカートに装着してもらうとか。嫌がられそうですけど…。
オリンパス Voice-Trek DS-750のカバー裏面。
















