録音当日の準備といえば、もちろん録音機材のセッティング。でも今回は、録音以外の準備について取り上げたい。目立たないが大事な仕事ばかりだ。録音し発言記録も取る担当の人を、ここでは「記録者」と呼ぶことにする。
【講演などの場合】
1)録音して記録を作成することに関して、事前に講演者の了解を取っておく
講演など話者が基本的に1名の場合、事前の準備は大がかりではない。これに対して、会議や座談会など話者が多い場合は作業が多いので、早めに会場入りしよう。
【会議や座談会などの場合】
1)出席者の各座席にネームプレートを置く
2)記録者席に座席表を置く
3)司会者に出席者への注意を依頼する
4)記録席に時計を置く
一つひとつ見ていこう。
1)出席者の各座席にネームプレートを置く
自立するプラスチックタイプがあれば一番だが、なければコピー用紙を四つ折りして左右からクリップではさめば出来上がり。エアコンの風に直撃されると動いてしまうので、大きくて重いタイプのクリップを使うこと。

縦型のネームプレートの方が場所を取らないが、エアコンの真下で実験したら、クリップ2個の重みがあっても倒れてしまった。縦型を使う場合はコピー用紙ではなく厚紙などで作ろう。

会議や座談会では、声が大きく態度が積極的な人がたくさん発言してしまい、控えめな人がしゃべれなくなることがある。そんなとき、縦型のネームプレートを活用するという進行方法がある。
ネームプレートを寝かせてセットしておき、「意見や質問のある人はプレートを立てて合図する」というルールで会議を進行させるのだ。自分の前のプレートを立てるだけだから控えめな人にとって楽な意思表示だし、座長にとっても指名しやすい。
2)記録者席に座席表を置く
出席者の席が決まったら、記録者は座席表を書いて自分の席に置く。
・同じ姓の出席者がいたら発言記録を取るときの表記を決めておく。「田中1」「田中2」など。
・漢字の正しい表記を確認しておく。いわぶちさんは「岩淵」か「岩渕」かなど。
・漢字の読み方を確認しておく。茂木さんは「もてぎ」か「もぎ」かなど。
「参加者が特に多い」「会議室が広く遠い席のネームプレートが読めない」「一つひとつの発言が短く、名前で記録していたら間に合わない」などの場合は、座席表に番号を振って、その番号で記録する。
3)司会者に出席者への注意を依頼する
3-1 司会者が「××さん」と指名してから発言すること
3-2 二人以上が同時に発言しないこと(3-1が守られれば不要な注意のはずだが…)
3-3 途中で席を移動しないこと
3-4 録音機材にさわらないこと
以上4点を出席者に伝えてもらう。3-1と3-2は、文字起こし用の注意。誰の発言か分からなかったり、二人以上が同時にしゃべっていたりすると、起こしにくい。
3-3は、座席表と実際の席が違うと発言記録を間違える危険があるため。
3-4は、次のようなトラブルを防ぐため。
・「これに録音してるの?」と手に持った人が、うっかり機材を落としてしまう。
・知らずに録音停止ボタンに触っていて、それ以降が録音されない。
・ICレコーダーの向きが変わってしまい、ステレオ録音で右から聞こえていた人の声が途中で左から聞こえて、起こす際に混乱する。
4)記録者席に時計を置く
会議では、開始時刻・終了時刻の記録は必須だ。録音中もときどき時計を見て、発言者メモに現在時刻を書いておくと、特定の発言を後で音声から探すときなどに便利。
















